B告訴を欠く親告罪捜査の可否
C告訴の客観的不可分
C告訴の主観的不可分
A「停止させて」(警職法2条1項)の意義
A 所持品検査
可否
所持品検査は、口頭による質問と密接に関連し、職務質問の効果をあげるうえで必要性有効性の認められる行為である。
そこで、警職法2条1項による職務質問に付随して行うことができる場合がある。
要件
所持人の承諾を得てその限度において行うのが原則であるから、
①本体となる職務質問自体が適法であり当該所持品検査が職務質問の効果を上げる上で必要性有効性の認められるものであること、
②対象者の承諾を得るよう努めること(余裕がないと認められる場合を除き)(警職法2条3項)が必要である。
そして、
③捜索に至らない程度の行為であり、かつ強制にわたらない者であることが必要である。
それは、相手方の明示又は黙示の意思に反し、法定の厳格な要件手続によって保護する必要のあるほど重要な権利利益に対する実質的な侵害ないし制約を伴うものか否かによって判断する。
④所持品検査の必要性、緊急性、これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度内であることが必要である。
あてはめ
まず目的の設定
→目的との関係で必要最小限であるか否か
「必要性緊急性」
容疑の重大性、容疑の濃厚性、凶器(物件)所持の疑い、時刻、状況等
「害される個人の法益」
被侵害利益の内容、侵害制約行為の態様、罪を犯そうとしているものか知っているに過ぎないか、容疑の重大性、危険性強弱、物件所持の疑いの有無程度、物件の危険性危険物か、攻撃のおそれ、検査箇所、態様、非質問者の人数・性別、警察の体制、警察官の言動・態度とこれへの対応手順
C無差別一斉検問の可否
強制処分法定主義、令状主義
強制処分法定主義の趣旨は、捜査機関による権限の濫用を防止することと、手続を立法により明文化することにあるところ、これらは処分対象者の権利利益保護に向けられる
- 相手方の明示又は黙示の意思に反し、
- 法定の厳格な要件手続によって保護する必要のあるほど重要な権利利益に対する実質的な侵害ないし制約を伴うものをいう。
あてはめ
個別具体的な必要性緊急性侵害法益の程度は無関係。類型的に強制処分に当たるか否かを判断する。
例えば、ドア越しに家の中を撮影している場合、実際にはぼやけて見えないとしても強制処分に当たる。
②から、侵害の質(侵害法益が重要か)→侵害の程度(相殺行為がどの程度侵害災厄する性質のものか)の順で検討する。
次に①
・エックス線検査
その射影によって荷物の内容物の形状や罪質を伺い知ることができる上、内容物によってはその品目等を相当程度具体的に特定することも可能であって、荷送人や荷受人の内容物に対するプライバシー等を大きく侵害するものであるから、重要な権利利益に対する制約といえる。
また、エックス線は相手方に反対意思の形成機会を与えず、非処分者の権利を完全に侵害するものであるから、黙示の意思に反している。
そして、不審な宅配便荷物につてその内容物の存在及び状態を視覚的に把握するために行われたものであることから、検証(128条)として把握すべきものであるため、令状(218条)なくして行われた本件捜査は令状主義に反し違法である。
・GPS捜査
憲法35条により、私的領域に侵入されることのない権利を有する。
GPS捜査は個人の行動を継続的網羅的に把握することを必然的に伴うから、対象者の私的領域に侵入する捜査であるといえ、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入されない権利を侵害するものであり、強制の処分に当たる。
C 被処分者の承諾ある強制捜査の可否
強制処分に当たらないとしても、捜査比例の原則(197条1項本文参照)から、一定程度の制限を受ける。いわゆる任意捜査の限界の判断においては、
特定の捜査目的を達成するために当該捜査手段を用いる必要性の程度と当該捜査手段により対象者に生じた法益侵害の内容・程度とを比較衡量し具体的状況の下で相当といえるか否かを判断する。
・有形力の行使
・任意同行
・おとり捜査
おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に比して犯罪を実行するように働きかけ、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するものをいう。
おとり捜査は強制処分にあたるか。
強制処分とは、①相手方の明示又は黙示の意思に反し、②法定の厳格な要件手続によって保護する必要のあるほど重要な権利利益に対する実質的な侵害ないし制約を伴うものをいう。
おとり捜査は、人から働きかけを受けないで犯罪を行う自己決定の自由を害されるおそれがある。もっとも、かかる自由は法的保護に値するほど重要とはいえない。
そのため、②にあたらず、強制処分には当たらない。
もっとも、任意捜査の限界を超え違法といえるか。
特定の捜査目的を達成するために当該捜査手段を用いる必要性の程度と当該捜査手段により対象者に生じた法益侵害の内容・程度とを比較衡量し具体的状況の下で相当といえるか否かを判断する。[y4]
考慮要素
必要性(犯罪の種類性質、嫌疑の程度、通常の操作方法による犯罪摘発の困難性)
法益侵害(捜査機関の働きかけの態様[y5] 、おとり捜査の相手方が犯意を有していたか、犯罪への関与の程度、おとり捜査によって創出される法益侵害の性質[y6] )
B出頭要求と逮捕の必要性
A 逮捕
=被疑者に対して最初に行われる強制的な身体処分
目的=被疑者の逃亡や罪証隠滅を防止する
A 勾留
目的=被疑者の逃亡や罪証隠滅の防止
要件=①「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(60条1項柱書)、②60条1項各号該当、③勾留の必要
逮捕状による逮捕の場合に,被疑者捜索のため他人の住居等に立ち入るには逮捕状の呈示を要するか
被疑者を逮捕状により逮捕する場合において,必要があるときは人の住居等に入り,被疑者の捜索をすることができる(220条1項1号)。この場合,住居等への立入りに際し,住居主,看守者等に逮捕状を示さなければならないか。
この点,222条1項前段は,「…110条(「差押状又は捜索状は,処分を受ける者にこれを示さなければならない。」)…の規定は,…220条によって押収又は捜索について…これを準用する。」と規定している。この222条1項前段をどのように解釈するかで結論が異なる。
㋐積極説:222条2項の趣旨から,差押状又は捜索状とあるのを,逮捕状と読み替えて,逮捕状を示す必要がある
急を要する場合には住居主の立会を要しないとする222条2項の趣旨から例外的に逮捕状を示さなくてよい例外を認める見解あり
㋑消極説:220条による捜索につき,性質上110条は準用されず,逮捕状を示す必要はない
・現行犯逮捕(212条1項、213条)
現行犯逮捕が令状主義の例外として認められる趣旨は、特定の犯罪の存在及びそれと被逮捕者との結びつきが明白であるため令状審査を経なくても誤認逮捕がなされるおそれが小さいこと、現行犯の状況においては直ちに逮捕しなければ犯人が逃亡するおそれが大きいため令状審査を経る余裕がないという意味での緊急の必要性が認められることにある。
そのため、現行犯逮捕の要件としては、①犯罪の現行性の明白性又は犯罪との時間的場所的接着性の明白性[y7] 、②犯罪と犯人の明白性[y8] 、③逮捕の必要性が必要である。
①②の認定においては、原則として逮捕者自身が逮捕時に直接覚知した挙動状態証拠等の客観的状況に基づいて認定する。[y9] 令状審査を経なくとも誤認逮捕の恐れがないといえる程度の犯罪と犯人の明白性は犯罪と犯人を直接的に明認させる客観的状況から導かれるため、逮捕者の判断の客観性を担保する必要があるからである。
・準現行犯逮捕(212条2項、213条)
準現行犯逮捕が令状主義の例外として認められる趣旨は、特定の犯罪の存在及びそれと被逮捕者との結びつきが明白であるため令状審査を経なくても誤認逮捕がなされるおそれが小さいこと、現行犯の状況においては直ちに逮捕しなければ犯人が逃亡するおそれが大きいため令状審査を経る余裕がないという意味での緊急の必要性が認められることにある。
要件
- ①少なくとも212条2項各号のうち一つに該当すること、
- ②犯罪と逮捕の時間的場所的接着性、
- ③犯罪と犯人の明白性、
- ④逮捕の必要性(消極的)
B現行犯逮捕と共同正犯
A逮捕前置主義
A事件単位の原則
A付加してされた勾留請求の可否
A違法逮捕後の勾留請求の可否
逮捕が違法ならただちに釈放されるべきであり本来勾留請求できないはずである。逮捕に対して殉国国を認めておらず(429条1項2号反対解釈)、勾留段階で逮捕の適法性を審査することが前提になっている。
違法性が軽微な瑕疵の場合
途中
A一罪一逮捕一勾留の原則
〇〇はA事実での逮捕勾留後保釈中に行われたものであるが、A事実と実体法上一罪を構成するため、一罪一勾留の原則により、重複逮捕重複勾留となる。[y11]
同一の事件(被疑事実)[y12] について逮捕勾留の繰り返しを無制限に許せば厳格な期間の制限が無意味となることから、同一の事件(被疑事実)について逮捕勾留は原則として許されない。
もっとも原則禁止の趣旨が妥当しない場合には例外的に同一事実での逮捕勾留が認められる。199条3項は再逮捕がありうることを前提としていることから、法律もそれを予定している。
再逮捕再勾留が例外的に認められる場合に当たるか。
- 新証拠の発見等により犯罪の嫌疑が復活する、逃亡証拠隠滅のおそれが再発生するなど先の逮捕終了後の事情変更により再逮捕すべき合理的必要性が生じたこと②犯罪の軽重や嫌疑の程度その他諸般の事情から被疑者の利益を考慮してもなお再逮捕がやむを得ないといえる程度の高度の必要性が認められること③不当な蒸し返しに当たらないことが必要である。
A別件逮捕勾留
・別件基準説
令状審査の段階で令状裁判官が捜査官の隠れた意図目的を見抜くのは困難であるから、別件について身柄拘束の要件が具備されている限りそれに基づく逮捕勾留自体は適法である。
→もっとも、余罪について取調べを行っていることについて、余罪取調べの限界[y13] を超えて違法となるか問題となる
条文上、被疑者の取調べを身体拘束の基礎となった被疑事実に限定する趣旨はうかがわれない。
そのため余罪取調べはそれが任意捜査で行われる限り、無制限に行うことができると解するべきである。
もっとも
余罪取調べが具体的状況かにおいて令状主義を潜脱するものである場合には、当該取調べは違法となると考える。具体的には、被疑事実と余罪の関係、罪質、軽重の相違、余罪の嫌疑の程度、その取調べの態様等を考慮して判断する。
・本件基準説
逮捕勾留の目的が本件の取調べに当たる場合は本件についての司法審査を経ることなく実質的には本件について逮捕勾留していることになるので令状主義を潜脱するものであるといえるから、別件について逮捕勾留の要件をたとえ形式上に満たしていても捜査機関が別件での逮捕勾留を実質的にはもっぱら本件の取調べのために利用する意図目的である場合その逮捕勾留は違法となる。
・実態喪失説
令状審査の段階で令状裁判官が捜査官の隠れた意図目的を見抜くのは困難であるから、別件について身柄拘束の要件が具備されている限りそれに基づく逮捕勾留自体は適法である。
もっとも、別件を被疑事実とする逮捕勾留の機関が専ら本件の取調べのために利用されるに至ったときは、その身柄拘束は令状に示された被疑事実による身柄拘束としての実態を失い令状によらない違法な身柄拘束に転化するものと解すべきである。
考慮要素(別件捜査の完了時期、別件本件の取り調べ状況、比率、取調べの内容、別件と本件との関連性、供述の自発性)
では、その後改めて本件による逮捕勾留がなされた場合この逮捕勾留は適法か。
再逮捕再勾留禁止の原則先行する逮捕が違法な場合を論じて
とはいえ、実質的には本件による逮捕勾留があったのだから再逮捕再勾留が認められる場合でもかかる期間は後の身体拘束期間から控除されるべきであると解する。
A取調べ受忍義務の有無
A余罪取調べの可否及び限界
捜査機関は被疑者を取調べることがdきる(198条1項)が、余罪について取り調べることができるか否かについては明文の定めがない。そこで、余罪取調べの可否及び限界が問題となる。
条文上、被疑者の取調べを身体拘束の基礎となった被疑事実に限定する趣旨はうかがわれない。
そのため余罪取調べはそれが任意捜査で行われる限り、無制限に行うことができると解するべきである。
もっとも
余罪取調べが具体的状況かにおいて令状主義を潜脱するものである場合には、当該取調べは違法となると考える。具体的には、被疑事実と余罪の関係、罪質、軽重の相違、余罪の嫌疑の程度、その取調べの態様等を考慮して判断する。
A捜索差押
捜索=一定の場所や物、人の身体と言った空間的領域において、差押えの対象物を発見すべく、強制的に探索行為を行う処分
差押=一定の物の保全のため、その物に対する所有者、所持者、保管者の占有を排除して占有を取得しこれを保持する処分
捜索実行要件
- 令状に記載された「捜索すべき場所、身体若しくは物」(219条1項)に当たること、
- 捜索の対象とされる人の身体、物、住居、その他の場所(空間的領域)に差押え目的物が存在する蓋然性が認められていること(222条1項本文前段、102条参照)、
- 捜索の必要性(218条1項前段)
A令状呈示の時期
捜索差押許可状は「処分を受ける者」に示さなければならない(222条1項本文前段、110条)ところ、「処分を受ける者」に示しているといえるか。
同条の趣旨は、手続の公正を担保するとともに処分を受ける者の人権に配慮する必要があることにあるため、原則として、被捜索者の利益が侵害される前である令状執行に着手する前に提示が必要である。なお、入室した時点で令状の執行に着手するといえる。
もっとも、そのような形式的な手続を突き通したのでは重大な不利益が認められる場合に、なんらかの現場保存措置を講ずることは、情況によっては認められる。
A捜索差押対象の特定性
B特別法違反の罪名の記載
A捜索差押許可状失効中に宅配された物の捜索
A「必要な処分」(222条1項本文前段、111条1項)
捜索差押そのものでないことを確認
→付随的な行為として「必要な処分」
判断基準
捜索差押の目的実現に必要でかつ相当な限度にとどめなければならない。
:捜査比例の原則(197条1項本文参照)
当該措置をとるべき具体的必要性とそれにより侵害される権利利益とを中心的考慮要素とした総合較量
(被疑事実の内容、差押え対象物件の重要性、差押え対象物件に係る破棄隠匿のおそれ、開扉措置によって被捜索者が受ける不利益の内容、開扉措置によって生ずる財産的損害の内容、被捜索者の協力態様)
A包括的差押えの可否
A捜索差押時の写真撮影の可否
A場所に対する令状による捜索の範囲
219条1項は捜索対象として「場所」「身体」「物」を区別しており、それぞれに関するプライバシーの利益を別個に保護している。
そうすると、「場所」に対する令状で「身体」や「物」を捜索することはできないのではないか。
・住居権者が管理している物
差し押さえるべき物が存在すると思われる物に対して一つ一つ令状を取ることは煩雑である。
住居内で管理支配されている物に関するプライバシー等は住居に関するプライバシー等に包摂されているとみることができるため、住居権者が管理支配している物には捜索差押許可状の効力は及ぶ
・その場に居合わせた者に対する身体の捜索
捜索の要件①を満たさないため原則として認められない。
捜索中又は捜索の開始直前に捜索の対象物あるいは差押え目的物を身体・携帯物に隠匿して捜索・差押えを妨害した疑いが十分に認められる場合[15] には「必要な処分」として例外的に認められる。
A 無令状捜索差押(220条1項2号、同条3項)
→認められる根拠は、逮捕現場には証拠が存在する蓋然性が一般的に高く、令状を請求すればそれが当然に発布されるため、裁判官による事前の司法審査を介在させるまでの必要がないことにある。(相当説)
・物的範囲
無令状捜索差押(220条1項2号、同条3項)が認められる根拠は、逮捕現場には証拠が存在する蓋然性が一般的に高く、令状を請求すればそれが当然に発布されるため、裁判官による事前の司法審査を介在させるまでの必要がないことにある。そして、逮捕の理由とされた被疑事実以外の被疑事実に関する証拠物につちえはそれが逮捕現場に存在する蓋然性が類型的に高いとはいえないため、物的範囲は逮捕の理由とされた被疑事実に関する物に限定される。
・「逮捕する場合」(220条1項柱書)の意義 時的限界
無令状捜索差押(220条1項2号、同条3項)が認められる根拠は、逮捕現場には証拠が存在する蓋然性が一般的に高く、令状を請求すればそれが当然に発布されるため、裁判官による事前の司法審査を介在させるまでの必要がないことにある。逮捕行為の時間的前後関係は逮捕の現場に証拠が存在する客観的蓋然性に何ら影響を与えない。そのため、逮捕行為が開始されている限り時間的前後関係を問わず広い範囲で認められる。ただし、時間的接着性は必要である。
・逮捕に失敗
・場所的限界
「逮捕の現場」(220条1項2号)に当たるか。無令状捜索差押(220条1項2号、同条3項)が認められる根拠は、逮捕現場には証拠が存在する蓋然性が一般的に高く、令状を請求すればそれが当然に発布されるため、裁判官による事前の司法審査を介在させるまでの必要がないことにある。そのため、場所の範囲としては、仮に令状を請求しそれを得たとしたら捜索差押が可能な範囲に限って認められる。そうすると、捜索差押によって侵害される法益が同一であることが必要となるから、逮捕者の身体及び携帯品のほか、逮捕地点を起点として同一の管理権が及ぶ範囲内の場所に限って認められる。
*捜索の要件(222条1項、102条)
被疑者に属する場所・物が対象のとき→必要性(102条1項)必要
被疑者以外の者に属する場所・物が対象→「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」(102条2項)必要
・連行したとき
・その場に居合わせた第三者に対する捜索差押の可否
B緊急捜索差押の可否
A別件捜索差押の可否
Bリモートアクセス
領置
検証鑑定
A強制採尿
B強制採血
B嚥下物の差押え
A写真撮影ビデオ撮影
B秘密録音
B被告人に対する余罪の取調べ
接見交通
A接見指定の可否
・公訴提起前
・「捜査のため必要があるとき」(39条3項本文)
接見指定制度の趣旨は、被疑者の身体の拘束について厳格な時間的制約があることなどから、被疑者の取調べ等の捜査の必要と接見交通権の行使との調整を図る点にある。
接見交通権は憲法の保障する弁護人選任権(憲法34条)を実質化した重要な権利であるから接見指定が認められるのは例外的な場合に限られる。
そのため、「捜査のため必要があるとき」[y16] とは、現に被疑者を取調べ中であるとか、実況見分、検証等に立ち会わせる必要がある当捜査の中断による支障が顕著な場合に限られるべきである。
なお、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって弁護人等の必要とする接見等を認めた[y17] のでは右取調べ等が予定通り開始できなくなるおそれがある場合も含む。
・初回接見の重要性
初回の接見は身体を拘束された被疑者にとっては弁護人の選任を目的としかつ今後捜査機関の取調べを受けるにあたっての助言を得るための最初の機会であって弁護人依頼権(憲法34条前段)の保障の出発点を成すものであるから、これを速やかに行うことが被疑者の防御の準備のために特に重要である。
A接見指定内容の適否(39条3項ただし書)
初回接見のときの判例
その指定に当たっては弁護人となろうとする者と協議して即時又は近接した時点での接見を認めても接見時間を指定すれば捜査に顕著な支障が生ずるのを避けることが可能かどうかを検討し、これが可能な時は留置施設の管理運営上の特段の事情の無い限り(もろもろの手続を終えた後)、たとい短時間であっても時間を指定した上で即時阿多は近接した時点での接見を認めるべきである。
考慮要素(申出に係る接見の重要度、痰実感の接見のための時間の捻出可能性、捜査への支障の程度)早く長く指定したら避けれる?
B余罪捜査を理由とする接見指定
B面会接見
B一罪の一部起訴
C公訴権の濫用論
訴因
256条3項
主体、客体、行為・結果→「罪となるべき事実」(256条3項)そのもの→特定に不可欠
場所、日時、方法→特定の手段にすぎず、不可欠ではない
訴因の機能=①審判対象限定機能②防御範囲指定機能
A訴因の特定
審判対象が確定されれば防御範囲も明示されたといえるため、機能①を重視し、被告人の行為が特定の犯罪構成要件に該当するかどうかを判定するに足る程度に具体的事実を明らかにすることが必要である。
他の犯罪事実と区別できる程度に記載することが必要である。
A共謀の日時・場所の特定の程度
B起訴状一本主義と訴因の特定
A訴因変更の要否
訴因は、①審判対象限定機能と②防御範囲指定機能をもつ。
そのため、事実に重要な差異が生じた場合には、訴因変更が必要である。
審判対象の画定のために必要な事項が変動する場合には審判対象限定、防御範囲指定の必要性から訴因変更が必要である。
審判対象の画定のために必要な事項でなくても 、争点明確化による不意打ち防止のため、一般的に被告人の防御にとって重要な事項について検察官が訴因に明示した場合に裁判所がそれと異なる認定をするには原則として訴因変更が必要である。
もっとも、少なくとも被告人の防御の具体的な状況等の審理経過に照らし被告人に不意打ちを与えるものではないと認められ、かつ判決で認定される事実が訴因に記載された事実と比べて被告人にとってより不利益であるとはいえない場合例外的に変更が不要である。
A縮小認定の可否
B過失の態様の変化と訴因変更の要否
B訴因と罪数
A訴因変更の可否
訴因変更は、「公訴事実の同一性」(312条1項)が認められる場合にのみ認められる。
「公訴事実の同一性」が要求される趣旨は、旧訴因との関係では一回的な処罰の対象となるべき事実関係であるべきにも関わらず訴因変更を許さずに別訴の提起を許すことになるとすれば二重処罰の危険が生じる点にある。
そのため、「公訴事実の同一性」は、一回的な処罰の対象となる事実関係について認めるべきである。
まず、新旧両訴因に記載された両事実が実体法上一罪[21] を構成する場合には当然に公訴事実の同一性が認められる。
共通性が少ないために基本的なものが共通とは言い難い時でも、一方の訴因が認められれば他方の訴因は成立し得ないという非両立関係にあれば認められる。
B訴因変更の時間的限界
B公判前整理手続き後の訴因変更の可否
B中間訴因が介在する場合の訴因変更の可否
A訴因変更命令義務
著しく正義に反する結果が生じる場合には義務がある
・手続上の考慮要素
犯罪の重大性、証拠の明白性、検察官の訴追意思、被告人の防御上の利益
・実体法上の考慮要素
事案の性質・内容、被告人の犯行への関与の程度、共犯者の処分との均衡
B訴因変更命令の形成力
B訴因維持義務
B訴訟条件存否の判断基準
B訴訟条件の追完
B不適法訴因への変更の可否
B適法訴因への変更の可否(訴因変更による訴訟条件の追完への可否
B厳格な証明の要否
A写実的証拠
B写しの証拠能力
B科学的証拠方法
A 類似事実の立証
1 犯人性の推認
被告人の犯人性を証明するために当該被告人による他の類似行為の事実[24] 、たとえば同種前科を立証[y25] することは許されるか。
前科特に同種前科については、被告人の犯罪性向といった実証的根拠[y26] の乏しい人格評価につながりやすく、そのために事実認定を誤らせるおそれがある。また、当事者が前科の内容に立ち入って攻撃防御を行う必要があるなど、不公正な不意打ちの危険を生じさせるほか、争点が拡散するおそれもある。[y27]
そのため、原則として犯人性の立証のために類似行為の事実の立証を行うことは許されない。
もっとも、実証的根拠の乏しい人格評価である「犯罪性向」(悪性格)を介さない推認の場合には証拠能力を例外的に肯定できる。
前科に係る犯罪事実が顕著な特徴を有し、かつそれが起訴に係る犯罪事実と相当程度類似することから、それ自体で両者の犯人が同一であることを合理的に推認させるようなものである場合には例外的に許される。
2 主観的要素の推認
犯罪の客観的要素が他の証拠によって認められる場合に被告人の故意のような犯罪の主観的要素を被告人の同種前科によって認定することは違法でない。
被告人は過去に同種行為について有罪判決を受けた経験がある以上、本件行為時にはそれが違法なものであることは了解していたと推認することであるため、人格評価を介さない推認であるからである。
v
A 自白法則(憲法38条2項、刑訴319条1項)
自白=自己の犯罪事実の全部又はその主要部分を認める旨の被疑者・被告人の供述
自白法則の根拠は、任意にされたものでない疑いのある自白は、虚偽である恐れが高く、類型的に信用性に乏しいため、事実認定の正確性を担保するため、そのような証拠の証拠能力を否定する点にある。
そこで、当該自白が被疑者が現実に心理的な影響を受け、虚偽の自白が誘発されるおそれが大きい状況のもとでなされたものかどうかによって判断する。
・利益誘導に基づく自白
ア 提示利益の内容、イ 利益提示者の権限、ウ 提示した意図、 エ 提示方法態様
あ 提示された利益の受け止め方、い 自白するに至った動機、 う その当時の身体的・精神的状況 ア 利益提示までの捜査経過と自白の時期
(イ 約束履行や利益提供の有無)→違法性排除説
B反復自白の証拠能力
B任意性のない第三者の供述(自白)の証拠能力
B
A 補強法則
補強法則の趣旨は、自白の偏重を避け架空の犯罪事実によって被告人が処罰されるのを防ぐことにある。
・適格
補強証拠は自白から独立したものでなければならない
・補強の必要とされる範囲
犯人性の立証
犯人の自白した犯罪が架空のものではなく現実に行われたものであることを証明するものであれば足りる
犯罪の主観的部分
・補強の程度
自白にかかる事実の真実性を保証しうるものであれば足りる
A 伝聞
争い方を考える(争点)→要証事実を考える
争点が要証事実になる。立証趣旨と必ずしも一致しない。
伝聞法則(320条1項)の明示
→伝聞非伝聞の区別
伝聞法則の趣旨は、供述証拠には知覚・記憶・表現・叙述の過程で誤りが入り込むおそれがあり、その供述内容の真実性を何らかの手段で担保する必要があるところ公判期日外の供述は公判期日における供述と異なり偽証罪の警告、供述態度の観察・反対尋問といった供述内容の真実性の担保手段が欠けていることからその意味で類型的に危険であるから原則として証拠能力を否定する点にある。
そこで、伝聞証拠とは、①公判期日外でなされた供述を内容とする証拠であって、②その供述内容の真実性を立証するために用いられるものをいう。
・犯行計画メモ
- 要証事実が「事前謀議の存在」であるときは、当該メモをその内容の真実性を証明するために用いる場合であるので、(記載内容通りの事前謀議があったことを証明するために用いる)、伝聞証拠にあたることはあきらか。
- 要証事実が「作成者の犯行の意図・計画」であるときは、現在の心理状態の供述の問題となり、被伝聞として関連性が認められれば足りる。
単独犯はそのまま証拠として意味があるが、共謀事案で作成者以外の者の公判において用いるときは謀議参加者の間で何らかの共通意思が形成されたこと別の証拠によって証明されているという事情があって初めて作成者の意図・計画の証拠として用いることに意味がある。
なお、当該メモが謀議者間で回覧され確認されたときは(回覧・確認の証明が必要だが、例えば当該メモに全員の署名があれば足りる)、謀議参加者全員の供述であって、要証事実は「謀議参加者全員の反抗計画・意図」ということとなり、非伝聞により関連性が認められれば足りる。
- 要証事実が「メモの存在と内容」であるときは、非伝聞である。要証事実が「メモの存在と内容」となるケースは次のものがある。
a 当該メモが謀議者間で回覧・確認されることによって謀議の形成手段とされた場合
b 当該メモの記載と現実に起こった犯行の態様とが一致し偶然の事情による一致とは考え難い時は、当該犯行が当該メモ記載の計画に則ってなされたことが推認され、
ⅰ当該メモ作成者が当該犯罪内容を知っていたことを推認し、さらには無関係な者がそのような犯行計画を知るとは認めがたいときは作成者自身が当該犯罪に何らかの関与をしていたことを推認する場合
ⅱ当該メモを所持していたもの(あるいは組織)の犯行関与を推認する場合
ⅲ当該メモ中において役割が記載された者に相当する者の犯行への関与を推認する場合
ⅳメモ作成者以外の者が実行行為を行っているときは、メモ作成者と実行行為者との共謀を推認する場合
・精神状態供述
伝聞法則の趣旨は、供述証拠には知覚・記憶・表現・叙述の過程で誤りが入り込むおそれがあり、その供述内容の真実性を何らかの手段で担保する必要があるところ公判期日外の供述は公判期日における供述と異なり偽証罪の警告、供述態度の観察・反対尋問といった供述内容の真実性の担保手段が欠けていることからその意味で類型的に危険であるから原則として証拠能力を否定する点にある。
精神状態供述は、知覚記憶の過程が欠けており、表現叙述の部分があるにすぎない。そして、表現叙述の正確性は原供述者の証人尋問によらなくとも、伝聞承認を尋問することや書面の場合その内容や記述の態様、前後の記述内容などから確認できる。一方、ある時点における人の心理状態を立証するにはその時点での発言が最良の証拠である。
そのため、精神状態供述は非伝聞として扱うのが相当である。
・自然反応的供述
供述が無意識的になされるために記憶表現叙述の過程が欠け、知覚のみが問題となる。一方、最良証拠であり、伝聞例外もない。
そのため、非伝聞として扱うのが相当である。
・321条1項1号
・裁判官の面前における供述を録取した書面
・「供述者の署名若しくは押印のあるもの」←規則45条1項
署名押印により担保されるのと同程度に録取内容の正確性を担保する外部的情況がある場合であり,欠いてもよい
・供述不能(前段)宣誓拒絶・証言拒絶をこれに含ませるのは実務一般の扱い
・相反供述(後段)
321条1項2号
法321条1項2号の該当性を検討
1項柱書の署名押印部分は,供述調書であれば,通常具備する
・(前段)供述不能
反対尋問権の不行使という犠牲において,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるもの:証言拒否,記憶喪失,号泣,宣誓許否等、伝聞法則の潜脱にならないため,厳格に解釈すべき
・(後段)相反供述+相対的特信情況
相反するか実質的に異なった供述とは,立証事項との関係で,相互の供述が表面上明らかに矛盾しているか,表現自体としては矛盾していないように見えても,前後の供述等を照らし合わせると,結局は異なった認定を導く可能性のある供述
・証人として証言を拒む場合「公判期日において供述することができないとき」に該当するか[29]
A 321条1項2号前段の列挙自由は制限列挙か例示列挙か
B「国外にいる」(321条1項各号)の意義
A321条1項2号前段における特信情況の要否
A相反供述又は実質的不一致供述
A特信情況(321条1項2号後段)の判断方法
A「前の供述」(321条1項2号後段)の意義
A実況見分調書の証拠能力
A実況見分調書(検証調書)における支持説明部分(再現写真)の証拠能力
A捜査機関の食卓に基づく鑑定書(鑑定受託者の鑑定書)
A私人(非捜査機関)の作成した実況見分書面
B再伝聞の証拠能力
B同意(326条)の法的性質
・録音テープ
現場録音→被供述証拠
供述録音→伝聞法則適用→321条3項又は322条1項類推
署名押印
署名押印が必要とされるのは、録取者による原供述の録取過程が一つの伝聞過程(供述過程)となっており、署名押印によって原供述が正確に録取されていることを担保することにより、その部分の伝聞性を考えなくてもよいようにするためである。録音の場合、原供述の記録が機械的になされるため、そこに供述過程はなく、また通常記録の正確性は担保されている。
そのため、署名押印は必要ない。
・ビデオテープ
犯行再現ビデオ
321条3項のほか、322条1項の要件を満たす必要がある。実況見分調書の性質を有するほか、自白としての性質も有するた、え
写し
- 原本の存在、②写しが原本を忠実に再現したものであること、③写しによっては再現し得ない原本の性状が立証事項とされていないこと(原本に指紋がついていたなど)
・弾劾証拠(328)の意義
同条の趣旨は、自己矛盾供述はその存在により公判での証言の信用性の減殺を図るために用いる場合、そもそも非伝聞であることを注意的に規定したにすぎない。
そのため、328条の「証拠」は、自己矛盾供述に限る。
A違法収集証拠排除法則
違法収集排除法則の趣旨は適正手続き保障(憲法31条)、司法の廉潔性の保持、将来の違法捜査の抑止にある。
令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠とすることが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合には証拠能力を否定する。
考慮要素
手続違反の程度[30] 、手続違反のなされた状況[31] 、手続違反の有意性[32]
手続違反の頻発性、手続違反と当該証拠獲得との因果性の程度、証拠の重大性、事件の重大性
A違法性の承継
先行手続が違法な場合において先行手続と後行手続との間に密接な関連性(同一目的、直接利用など)があるとき、先行手続の違法の程度を十分考慮して後行手続の違法性を判断し後行手続が違法性を帯びると判断されるときは後行手続に違法収集排除法則を適用して検討
A毒樹の果実
[3]あてはめ
①目的を認定→目的が正当であること
②当該手段を用いる必要性の有無程度
(およそ当該捜査を行う必要性が高いのか低いのか、なぜ当該対象者を対象とするのか、その必要性が高いのか低いのか、なぜその手法を取る必要性があるのか高いのか低いのか)
③現実に侵害された権利利益の内容程度
④高度の必要性に照らしてその態様は具体的状況の下で相当といえるのか。
[4]まずは目的を認定を忘れずに
[5]機会があれば犯罪を行う意思があったか
[6]直接の被害者がいないなど
[7]①について
犯罪の現行性の明白性
(特定の犯罪が逮捕者の面前で行われていることが逮捕者にとって明らかであること)
犯罪との時間的接着性の明白性
(特定の犯罪が行われ終わった直後であることが逮捕者にとって明らかであること)
一般に犯行終了後時間が経過すれば罪証が散逸し犯罪と犯人の明白性が希薄になるといえるから趣旨①が認められるために必要な要件である。
場所的接着性が考慮される趣旨は
一般に犯人が犯行場所から遠く離れるほど犯行と逮捕の時間的接着性が希薄になるとともに犯人がそれ以外の者と混同され犯人の特定性が失われる恐れがあるから現行犯人の要件としての場所的関係を無視できないことにある。
あてはめ
時間30~40分手度
場所100mくらい
逮捕に着手する直前の時点を基準として現行犯と行われた直後を判断
[8]趣旨①から
[9]被疑者の供述以外にない時は認められない。しかし、客観的状況からみて罪を行い終わった疑いが濃厚な場合にはある程度供述証拠によっても認められる。他の証拠を加味して認定することも認められる。
[10]前の逮捕勾留が失効したと後に行うときは再逮捕再勾留の問題であり保釈中に行うときは重複逮捕重複勾留の問題となる
両方逮捕勾留の蒸し返し防止を企図するものであり同様の基準でよい
[11]実体法上一罪か(実体法上一罪でないときは一罪一勾留の原則は適用されず再逮捕再勾留ではない)、
さらに同時処理の可能性(が無い時は一罪一勾留の原則は適用されず、実体法上一罪を構成する事実であっても別個の事実として扱われる=再逮捕再勾留ではない)
実体法上一罪の関係にある被疑事実については原則として一罪一勾留の原則が適用されるものの、同時処理が不可能な場合は例外であって一罪一勾留の原則は適用されない(例外許容説)。そして、その例外の場合、実体法上を構成する事実であっても別個の被疑事実として扱われ、改めて逮捕勾留することができる。
[12]実体法上の一罪
→実体法上一財を構成する事実は一般的にみれば相互に密接な関係があるため、それを分割して逮捕勾留することを認めると、一般的には捜査の重複を招き、実質上逮捕勾留の蒸し返しになるおそれが高いためそれをあらかじめ防止する
[13]無制限説はあるけどさすがにここで使わねえだろ
まず、198条1項ただしガキの反対解釈から取調べ受忍義務は肯定するのが素直である。この点について取調べ受忍義務があるのは被疑事実に限られ、余罪取調べはあくまで任意処分の範囲で許容されるとする見解があるが、参考人取調べに関する223条2項が198条1項ただしガキを準用していることからすれば198条1項ただし書の解釈に事件単位の原則を持ちコンジュことは無理がある。
したがって、余罪取調べには限界がないものと解すべきである。
[14]令状執行に着手した時点=入出の時点の
前
222条1項本文前段、111条1項
後
222条以降本文前段、110条
[15]必ずしも目撃した場合に限るわけではない
[16]形式的に(判例が例示した場面)にあたる
→実質的に顕著な支障生じるか
[17]弁護人等の接見の申出をそのまま認めるとした場合の支障のこと
[18]=訴因の記載に不可欠な事項
主体、客体、行為、結果
EX「罪となるべき事実」そのものである
具体的な審理状況を問わず必要となる
[19]日時場所方法動機
[20]思考プロセス
①まず罪数の点から単一性の検討によって結論が出るかどうか考える
→でない(単一性欠く)
②事実関係のうち基本的なものが共通であるといえるかどうか
③共通性少ない場合、補完的に非両立基準
[21]科刑上一罪も含まれる
ほとんどここでは結論はでない
[22]狭義の同一性
犯罪の日時、場所の同一性や近接性
犯罪の方法態様の共通性
相手方、結果等の共通性
共通した部分の事実関係を明示し
どこが異なるのかを明示
例えば、事実関係は同一だがそれに対する評価が異なる
[23]非両立性を判断する際には新旧両訴因に記載された事実および検察官の釈明内容のみならず新旧両訴因の背後にある社会的事実、具体的には冒頭陳述、証拠調べ請求された証拠等の証拠調べの結果を含めた心理の全過程に表れたところを判断の基礎にしてよいと考える。
[24]前科証拠や類似事実証拠についてその証拠能力が制限されるのみならず、前科事実や類似事実(適法に取り調べられた証拠によって認定されたもの)を犯人性の間接事実として用いる場合についても同様の法理が当てはまる。
[25]類似事実(例えば同種前科)から、被告人にはそのような犯罪を行う「悪性格」(犯罪性向)があることを推認
被告人がそのような「悪性格」(犯罪性向)を有しているということから、被告人が起訴に係る犯罪事実を行ったことを推認する
という二重の推認過程を経る この二重の推認過程はどちらも「不確実な推認」にすぎない
[26]科学的医学的に裏付けられたもの
[27]①不当偏見の危険、②不公正な不意打ちの危険、③争点混乱の危険(米国)
[28]学説が認める例外の類型
①前科や常習性が構成要件の一部となっている場合
②故意、目的、動機、知情など犯罪の主観的要素を証明する場合、
③前科の存在やその内容が公訴事実と密接不可分に関連している場合、
④特殊な手口による同種前科の存在により犯人と被告人の同一性を証明する場合
人格評価を介する二重の推認過程を経るけども、2つの推認過程がいずれも「確かな推認」の場合
川出
被告人の犯罪性向が単なる悪性格という程度を超えて遠く帝の状況下においてはいわば自然反応的に一定の行為を行うほどに習慣化している場合(強固な犯罪傾向)
犯罪性向を介しない直接の推認
[29]*最判S27・4・9:基本判例①
・ その事由を掲記しているのは,もとよりその供述者を裁判所において証人として尋問することを妨げるべき障碍事由を示したもので,これと同様またはそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨げるものではない
・ 証言拒絶の場合においては,一旦証言を拒絶しても爾後その決意を翻して任意証言する場合が絶無とはいい得ないのであって,この点においては供述者死亡の場合とは必ずしも事情を同じくするものではないが,現にその証言を拒絶している限りにおいては被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは全く同様であり……。本件においては,……がその後証言拒絶の意思を翻したとの事実については当事者の主張は勿論これを窺い得べき証跡は記録上存在しない。
*東京高裁判決H22・5・27参考判例①共犯者とされる証人の証言拒絶が法321条1項2号前段のいわゆる供述不能にあたるとして検察官調書を採用した訴訟手続に法令違反があるとされた事例
・ 供述不能は,一時的なものでは足りず,その状態が相当程度継続して存続しなければならず,証言拒絶の決意が固く,期日を改めたり,尋問場所や方法を配慮したりしても,翻意して証言する見通しが少ないときに,要件を満たす
・ 期日を改め,期間を置けば証言が得られる見込みがあるとしても,迅速な裁判の要請も考慮する必要がある
・ 事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して,供述不能といえるかを判断すべき
・ 自己の裁判で不利益に使われたくない,証言できないのは遺族に申し訳ない,自らの弁護人と相談しないと証言できるか分からない等と供述,原審の公判前整理手続の経過も考慮している
*広島高岡山支判平成27年3月18日研修810号85頁以下も参照されたい
[30]適法な手続からの逸脱の程度
それによって侵害される利益の重要性、侵害の程度
[31]緊急やむをえずか
[32]捜査機関の意図
計画性、違法性やその意識
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